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...... 2013年03月31日 の日記 ......
■ 新蔵ばかりでなく   [ NO. 2013033101-1 ]
 新蔵ばかりでなく、その時に「膝栗毛」の弥次郎兵衛と喜多八とを勤めた二人の俳優も、ありありとわたしの記憶に残っている。弥次郎は中村鶴蔵で、喜多八が中村伝五郎であったが、どちらも現在の俳優のうちにはちょっとその類型を見出だしにくい芸風の人々で、取り分けて鶴蔵は先天的の道化役者であった。眼瞼の妙に腫れぼったいような顔をした男で、見るから一種の滑稽味を帯びていたが、芸風はあくまでもすっきりしていて、ちっとも悪ふざけやくすぐりなどをする様子が見えなかった。彼は名人仲蔵の門下で、初めは雁八といい、後に師匠の前名を継いで鶴蔵と改めた男だけあって、江戸前の道化ということを十分に会得していたのであろう。その弥次郎兵衛はたしかに理想的の弥次さんであった。あくまでも真面目に取り澄ましていて、それで何処となく呆けている工合は、十返舎一九の筆意を眼のあたりに見るようであった。わたしはその後にも「膝栗毛」の芝居をたびたび観たが、鶴蔵以上の弥次郎兵衛には再びめぐり逢わなかった。その翌年の秋、わたしは鳥越の中村座で、彼が「伊賀越」の助平と幸兵衛を観たが、遠眼鏡の助平は図ぬけて好かった。幸兵衛はどうも宜しくなかった。二番目の「髪結新三」では家主長兵衛をつとめ、万事が師匠の仲蔵写しということであったが、これも愛嬌があり過ぎて相手の新三を取りひしぐ力が足りなかった。

新宿 接待s情けの酒より酒屋の酒

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